酪農

酪農

牛は妊娠・分娩・授乳などで体内の血液を使うことが多く、鉄不足に陥りやすい動物です。鉄は身体づくりの基礎となっており、鉄不足になると免疫力低下や増体不良、乳量低下などに繋がっていきます。

他にも下痢症状、乳房炎や立ち上がりが遅いなど様々な問題があり、これらの問題を少しでも改善するために牛に対するリモナイトの研究を行っています。

近年、出生時における子牛の栄養状態と免疫機能は母牛の乾乳期の飼養管理が大きく関与していると言われています。実際に母子牛給与による効果の試験を行い、健康状態の改善が見込まれました。

胸腺スコア

子牛の自己免疫は胸腺という臓器の免疫細胞により産出されます。自己免疫の強さは胸腺の大きさと比例し、大きいと免疫機能が高く病気になりにくい健康な牛に成長します。

ホルスタインの妊娠牛に対して分娩前60日間、日量50gのリモナイトを給与し、その後出生した子牛に50日間、代用乳2ℓにリモナイトを5g入れ1日2回給与し、出生時、生後30日齢、60日齢の3回胸腺スコアを計測しました。

試験では母牛に給与し、出生した子牛は胸腺が大きくなることが確認されました。

MSミネラソの乾乳期投与による母牛と子牛の健康維持の効果に関する検討を参考に作成
参考文献

小岩政照. MSミネラソの乾乳期投与による母牛と子牛の健康維持の効果に関する検討. 酪農学園大学, 2012,

血液に対する影響

リモナイトを給与することで母子ともに血液中の鉄分濃度が増加し鉄分不足を補うことが確認されています。また母牛に給与し出生した子牛に関しても、鉄分濃度や筋活性、骨活性といった値が増加し成長を促進させ、健康な牛が育成できることが確認されました。

ホルスタインの妊娠牛に対して分娩前60日間、日量50gリモナイトを給与し、出生した子牛は50日間、代用乳2ℓにリモナイトを5g入れ1日2回給与しました。測定は母牛の分娩時と子牛の出生時と生後30日齢に血液検査を行いました。

母牛では血清鉄濃度が試験群が128μg/dl、対象群が80μg/dlとなりました。

子牛では出生時の血液免疫細胞(Lym)、亜鉛(Zn)、筋活性(CK)が対象群と比べ値が高く、30日齢では鉄(Fe)、銅(Cu)、骨活性(ALP)が高くなりました。

MSミネラソの乾乳期投与による母牛と子牛の健康維持の効果に関する検討を参考に作成

他にもホルスタインの子牛に対して離乳までの49日間添加し、血液検査や血液アミノ酸濃度など血中成分に着目し子牛の成長促進効果を試験しました。

試験群は血清アルブミンが増加し、栄養状態の促進が確認されました。対象群はαβγグロブリンがそれぞれ増加し、潜在性の炎症が推察されました。以上の成績により子牛の成長が促進されることから、健康維持と成長にとって効果があることが確認できます。

参考文献

小岩政照. MSミネラソの乾乳期投与による母牛と子牛の健康維持の効果に関する検討. 酪農学園大学, 2012,

小岩政照. MSミネラソ投与によるホルスタイン子牛の成長促進効果に関する検討. 酪農学園大学, 2014,

体重の増加

子牛に添加することで成長が促進され、試験では体重が順調に増加しました。また分娩前の母牛に添加し出生した子牛も体重増加が見られ健康な牛が育成できることが確認できました。

ホルスタイン雌子牛に対して離乳までの49日間、代用乳に日量10gのリモナイトを給与し体重の推移を記録しました。

別の試験では、ホルスタインの妊娠牛に対して分娩前60日間、日量50gのリモナイトを給与しました。出生した子牛は50日間、代用乳2ℓにリモナイトを5g入れ1日2回給与し出生時、生後30日齢、60日齢の体重を計測しました。

参考文献

小岩政照. MSミネラソ投与によるホルスタイン子牛の成長促進効果に関する検討. 酪農学園大学, 2014,

小岩政照. MSミネラソの乾乳期投与による母牛と子牛の健康維持の効果に関する検討. 酪農学園大学, 2012,

牛群検定成績

2014年を対象群とし、以降2年間を成乳牛に対して日量50g添加し、搾乳頭数,年間個体乳量,日乳量,乳成分、乳体細胞などを3年間記録し牛群検定成績として比較を行いました。

○平均搾乳頭数

 2014年:91頭 2015年:102頭 2016年:93頭

○年間平均個体乳量

 2014年:9824kg 2015年:10340kg 2016年:10546kg

○空胎平均日数

 2014年:142日 2015年:151日 2016年:136日

収入評価

2015年の空胎日数増加により損失がありますが、それ以上に年間乳量が増加することにより収入増加が見込めます。

参考文献

小岩政照. MSミネラソ投与による酪農牛群の健康維持効果の検討. 酪農学園大学, 2017,

ガス吸着と抑制

臭気調査

牛に給与することで糞尿臭気が大幅に低減することが確認されています。体内で硫化水素ガスなどを吸着することにより糞が黒く引き締まり、下痢も止まりやすくなります。また、体外に出た後の糞尿からも発生を抑制しています。調査では、堆肥に添加することでアンモニアや硫化水素は0ppmまで減少しました。

臭気調査報告書を参考に作成
参考文献

株式会社日本リモナイト. 臭気調査報告書. 2015,

使用者の声

H農場(北海道)

母牛の産後の立ち上がりが良くなった。乳に関してはMUNを下げることが出来た、また廃棄乳の減少による乳量増加で収益が出てており乳量が前年比10%増加した。他にも事故率が減少し、治療代や薬品代が減った。

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